皆様、初めまして。
今年からナレッジソサエティさんのブログを書かせて頂くことになりました、税理士の藤田です。
今回は2020年から適用される税制改正の中で身近なものについて書かせて頂きます。
フリーランスの方はそろそろ確定申告を意識されていると思いますが、フリーランスの方にはお得な情報です。
1.給与所得控除額が引き下げられる
さて、今年、2020年から給与所得控除額、というお給料から引いてもらえるみなし経費のようは金額が引き下げられるのをご存知でしょうか。
2019年までは最低65万円、最高220万円(額面給与1000万円以上の場合)でしたが、これが最低55万円、最高195万円(額面給与850万円以上の場合)に変わります。
※850万円~1000万円までは若干考慮あり。
2.青色申告特別控除が引き下げられる
また、「私はフリーランスで仕事をしているから給与のことは関係ない」という方にも影響がある改正があります。
青色申告特別控除は最大65万円なのですが、この上限が、下記のどちらにも該当しない場合は55万円に下がってしまうのです。
①電子帳簿保存を行っている
②確定申告書及び青色申告決算書をe-Taxで電子申告している
え、困る!という方、焦らないでください。
①は通常その期の3か月前までに届出が必要なのですが、2020年に限り9月30日まで
に届出書(正確には承認申請書)を提出し、電子帳簿保存を行うことが認められております。
②については、実際の申告時期は2021年になりますので、それまでにマイナンバーカードを取ってカードリーダーをご用意頂得れば電子申告することが可能になります。
つまりフリーランスの方についてはまだ65万円控除を維持するための手立てはあるの
です。
3.基礎控除が引き上げられる
1と2はあまりうれしくないお話ですよね。
ただ、高額所得者でない場合、給与所得者もフリーランスで青色申告特別控除が55万円に下がってしまうかたも、よほど稼いでいる方でない場合は税額としてはほとんど変わらないと思います。
どうしてかというと、基礎控除という誰でも受けられる38万円所得控除があるのですが、これが48万円にアップするからです。
つまり給与所得控除額や青色申告特別控除額が10万円下がったとしても、「所得控除」という項目の「基礎控除額」が10万円アップするので実質ほぼ影響はないということです。
ただ、上記2の①か②に該当する方は、青色申告特別控除が65万円のまま使え、かつ基礎控除は48万円になるので、実質10万円所得が下がります。
http://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/h32_kojogaku_change.pdf
e-Taxで申告するだけで10万円控除してもらえるなら、ぜひして頂きたいと思いますので、チャレンジしてみてください。